十二鎖目
皆さんは”道具”と聞けばどのようなものを指すと思うだろうか。
“道具”を日本国語大辞典で調べると、
1番目に”仏道修行のための三衣一鉢など六物、十八物、百一物などといった必要品”
2番目に”物を作ったり仕事をはかどらせたりするために用いる種々の用具”とある。
ふつうは2番目の意をとるだろう。
我々は”道具”と言えば楽器のこと指す。
なぜ、そう呼ぶのかは、1番目の”仏道”を”芸道”に置き換えて考えるとわかりやすい。
“必要品”である。そんなこと当たり前だとも思うので、さらに読解すると、
道=芸道、具=武器 と読める。
つまり”道具”とは芸の道を生きていくための武器ということなのだ。
大切にするのはもとより、手入れを怠らず、尊敬の念を持って使うことが肝要である。