post

地球の裏側で

二十九鎖目

先日、ブラジル サンパウロに行った。DCIM0969

もちろん公演のためである。

二日間の公演は満員のお客様でご好評を頂戴した。

海外公演での課題の一つに舞台設営があるが、今回はこの点において全く問題がなかった。

と言うのも、ブラジル能楽連盟の方が、あらかじめ舞台を設営していただいていたのだ。

舞台はの寸法、しつらえ、すべて問題なくとても助かった。

ブラジル能楽連盟は、日本からの移民たちが現地で能楽文化を伝え、いまも活動を続けている。

どれだけのご苦労があったのだろう。

小鼓は皮が破れたら自分たちで作り(犬の皮で代用)、大鼓も大切に大切に使い、

衣装も自分たちで作っているとおっしゃっていた。

今年は公演で高砂を上演されたとのこと。

メンバーの方に流儀はなんですかとお尋ねしたら、現地の先生に習っているから、わからないと。

流儀の枠組みなど関係なく、とにかく能楽を愛する。

素晴らしいことである。

能楽の芸事が日本のみならず、地球の裏側でも脈々と受け継がれている。

僕は感動を覚えた。