九鎖目
前回の本格的指皮作りに続き、今回は簡単にできる作り方を紹介する。
材料は牛乳パックとサージカルテープ。
きれいに洗った牛乳パックの底の部分を写真のように切り取り、中指と薬指の2本にきちっとした大きさにまいて、サージカルテープで固定すれば出来上がり。
牛乳パック底部の厚い三角の部分が指にあたるように切り取るのがポイント。
わずか2分で出来る。
大人数のこどもの体験教室などに最適である。
七鎖目
大鼓方の仕事は舞台に出演したり教室で稽古するだけではなく、内職ともいえる手仕事が多くある。
大鼓を打つ時には、右手の中指と薬指に「指皮」といういわゆるプロテクターを装着するが、これを作製するのもそのひとつだ。
指皮は石井流では本来は使わないものだが、近年の舞台数や皮の質の変化により指皮は演奏に欠かせないものとなった。
最近は好みの大きさ・硬さで作ってくれる業者もあるのだが、僕は自分で作ることにしている。
作る手順を紹介しよう。
まず糊を作る。
水、寒梅粉、市販でんぷん糊、木工用ボンドを混ぜ合わる。この時、糊の粘度が重要である。濃すぎず薄すぎず”ツーッ”と伸びるくらいにする。
次に紙を用意する。
薄くて繊維の方向がそろっていない粘り気のある和紙が良い。僕は古い和綴の本を壊して使ってる。外側に使う紙は黒谷和紙を使った。
外側2枚分に色を付けるため、とても飲めそうにない位の濃いコーヒーを淹れて、染むらが出ないように一枚一枚丁寧に紙をつけて数時間おく。
指をかたどった木型に、一枚一枚なるべくしわにならないように貼り付けて乾かす。いろいろな方向や場所に貼るのがポイント。
凹凸ができるのでヘラで押しつぶして形を整える。
10~20枚ほど貼ったらコーヒーで染めた仕上げの紙を貼り、木型から切り離して切り口の角を落とし、補強用の皮を貼りつけて出来上がり。
二日間に亘る作業である。
六鎖目
皮について書こう。
大鼓の皮は、直径約23cmの鉄の輪に馬の皮を張り麻糸で縫い合わせたシンプルなつくりで、とても固い。
刃物を突き刺さそうとしても跳ね返されるほどである。
外側の細かい縫い目を千綴(せんとじ)、中の縫い目を十六(じゅうろく)という。
大鼓独特の高い音を出すためには、演奏前に皮を乾燥させる必要があり、炭火で1~2時間ほど焙じてから使う。
大変消耗が激しく、舞台で使用できるのはわずか10回程度だ。
演奏者により違うようだが、僕は皮を購入したあと3年ほど陰乾ししてから使う。
作っている地域により、皮をなめす際に冷水にさらす場合(奈良)と、糠につける(東京)製法の違いがあり、僕は冷水さらしの奈良皮を好んで使っている。
五鎖目
もうお気づきのことと思うが、当コラムの冒頭には「〇鎖目」と入れている。
どういう意味か不思議に思われた方もいるだろう。
「鎖」とは、西洋音楽でいうところの小節のことである。
1小節は一鎖、4小節は四鎖という具合である。
能楽囃子に関するコラムらしくしようと思い、かようなナンバリングを打った次第である。
能楽は一鎖八拍を基本としているが、謡の文字数によって一鎖が二拍・四拍・六拍と変化することがよくある。
しかも、変化した後すぐに八拍に戻ることもあれば、立て続けに四拍、四拍、八拍、二拍など複雑に変化することもある。
これを覚えるのは中々大変なのだが、謡の七五調の言葉が字余り・字足らずになったり、同じリズムが単調に続かないようにわざと変化をつけたりするためなので、大変重要な要素なのだ。
ちなみに八拍を本地、二拍はオクリ、四拍はトリ、六拍を片地と呼ぶ。(他にも四ツ地、短ノ間といった特殊な鎖も存在する。)
大小様々な鎖がつながることで、ノリ(曲調)や抑揚ができるように、「言無記」の鎖をつなげていきたい。
さて今日の「言無記 五鎖目」はいずれであろうか。
二鎖目
「カスタマイズ」「デフォルト」「プラグイン」「css」「php」
今までは全く縁の無かった言葉だが、必要にかられ調べた結果、どういう意味なのかようやくわかった。
そして無謀にも、当サイトの「カスタマイズ」を敢行。
何とか、イメージしたスタイルになった。
そもそもhtml言語など全く知らない人間が、「css」なるものをいじるのは狂気の沙汰だが、ひたすらgoogleったら、何とかなった。
WordPress(ソフトウエア)と、その使い方の情報を無料で公開している篤志家達に感謝する。
一鎖目
初投稿である。
Blogとは、何を書けば良いのか今ひとつピンときていないのだが、紹介したき事・思うところなどを書いていきたい。
まずは、タイトルである。
「言無記」と書いて「ことぶき」と読んで頂きたい。
意味は、ご想像にお任せする。
元来めんどくさがりの自分にBlogなど出来るのか?という疑問は残るのだが、とりあえず
乞うご期待。