東京に稽古場を開設します!

四十五鎖目

5月より東京に稽古場を開設します。
場所は五反田文化センターの音楽スタジオ。
稽古回数は、東京方面に用事のあるときにするので、不定期ですが、とりあえず今年は10.11月以外は稽古をします。
詳しくは東京稽古場をご覧下さい。
見学無料体験実施中です。ご興味のある方は是非お越し下さい!
お申し込みはメールで→okeiko@t-masatoshi.com

小鼓?

四十四鎖目

ここのところ、サイトの不調で迷惑をかけた。
結局、wordpressを再インストールして復旧した。
ご助言頂いた方々に心より感謝する。

さて本題である。
右の写真はなんだろうか?
答えは大量の小鼓の皮。
なんだ普通の答えじゃんと思うなかれ。
小鼓は小鼓でもレプリカの小鼓の皮である。
段ボールで出来ている。
来年度の小中学校巡回公演で使うために大量生産中である。
尚、この皮は音が出ない。
段ボールなので当たり前だが・・・
作り方に興味がある方はこちらを参照して頂きたい→http://www.noh-doumeikai.com/wordpress/wp-content/uploads/2018/03/簡単♪小鼓の作り方-.pdf

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発足100周年記念同明会能

四十三鎖目
またまた久しぶりの投稿である。

来年2月24日土曜日に恒例の同明会能が催される。
今回は創立100周年記念の大会で、僕は金剛流能「安宅延年瀧流」を打つ。
安宅といえば勧進帳で有名なので、ご存じの方も多いだろう。
延年瀧流の小書は、重厚、勇壮、華麗の要素が囃子に取り入れられた難曲だ。
シテは弁慶物を得意とされる金剛永謹師。

気合バリバリで挑む。

是非観に来れらたし!!

詳しくは、京都能楽囃子方同明会HPをご覧あれ。
チケットお入り用の方はこちら→同明会能チケットお申し込み

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一声

四十二鎖目

次第とくれば一声(いっせい)であろう。

最もポピュラーな出囃子で、次第が空間の移動を表すのに対し、

時間経過や場面転換を表す。

また、次第で登場するのは生きている人間だが、一声は幽霊、人間、化け物と何でもありだ。

一声には様々なタイプがあり、

本越、半越、片越、不越、葛越、狂女越、頭越など、曲によりどのタイプの一声を打つかが決まっている。

演能の際には、省略形の一段や無段でされることが多い。

ちなみに京都では、一段を二ノ句、無段をツッカケという。

どの寸法の一声にするかは、シテ(登場人物)が決め、囃子方は本番直前に寸法を伺う。

一声を打つ上で大切なのは、誰がどういう状態でどうやって登場するのかを考慮して、ノリを作ることだ。

闇夜なのか月夜なのか、ボーッと現れるのか、船に乗って現れるのかなどなど。

とても奥深い出囃子で、一声の囃子で状況が設定され、曲調が決まる。

とても重要な出囃子である。

 

 

 

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用語解説

四十一鎖目

この間、能楽用語として”次第”を紹介したが、書いてある用語が専門的すぎてわかりにくいのではと思い、更に解説したい。

ノラズアシライ・・・アシライとは能楽独特の演奏法で、謡や笛などの旋律が大小太鼓の演奏する拍子に合わず、かつ寸法を定めない演奏法。
ノラズとは、拍がかなり曖昧なニュアンスでながれ、明確に間を表さない演奏法。”ノラズ”の反対は”ノル”。

出囃子・・・役者が登場する際に演奏する曲。

ツヅケ、上略、中略・・・演奏する手の名前。手については二十六鎖目を参照して頂きたい。

ヤハハア・・・カケ声の種類。ヤハと書くが実際には”オの段”で発音する。(例えば、ヤはヨ、ハはホ)但し”イ”がついている時はそのまま発音する。

なんだか、余計にわかりにくいも気もする・・・

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次第

四十鎖目
またまた久しぶりの投稿となってしまった。

ネタが思いつかず、中々投稿できない。

安直ながら、能楽知識を紹介しよう。

”次第”

ノラズアシライの大小物出囃子で、”東国から都へ”や”都から南都(奈良)へ”など物理的な人の移動を表す。

本来は三段であるが、現代ではほとんどの場合、省略して一段や無段など段数を減らした演出にしている。

ベースとなっている手はツヅケ。

大小鼓の不均一な間のやりとりが特徴だ。

曲の開始にワキの出囃子として演奏されることが多い。

段をとる所に上略や中略という手を打つが、石井流では登場人物がどこからどこに行くかで手が変わる。

三段であれば、都へ上る僧には、中略・上略。都から下る僧は上略・中略と打つ。

現代では省略されることがほとんどだが、一つ段をとる時には先に来る手を打ち、登場人物が一段で出てきたと言う体ををとっている。

上略と中略の見分け方は段の所で大鼓のカケ声がヨーイ・ヤハハアと掛けるか、ハアー・ヤハハアと掛けるかの違いでわかる。

一度注目してご覧になってはいかが。

 

 

 

 

 

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催し紹介

三九鎖目

とってもとっても久しぶりの更新となってしまった。

反省。

所属する京都能楽囃子方同明会の催しを三つ紹介しよう。

1,第62回同明会能 2/25 12:00より京都観世会館
来年100周年を迎える、歴史有る同明会主催の鑑賞会。
僕は、舞囃子 淡路 急々ノ舞を勤める。
急々ノ舞は速く速くとにかく速く打つ。
速さで伊弉諾尊の勢いを表すのだ。
トメは梅若玄祥師の清経 恋之音取。
くわしくは↓
http://www.noh-doumeikai.com/?page_id=31

2,同明会囃子会 3/21,22 9:30より東本願寺白書院
同明会会員の社中(お弟子さん達)の会。
同明会主催の社中は数十年ぶりらしい。
会場は苔庭に囲まれた、由緒ある美しい舞台である。
くわしくは↓
http://www.noh-doumeikai.com/?page_id=1517

3,囃子堂~偉人も愛した能囃子~ 3/12 13:30より松山いよてつ高島屋9階ローズホール
能楽の音楽要素にスポットをあてた伝説的能囃子コンサート「囃子堂」。
松山での開催は二度目である。
今回は「偉人も愛した能囃子」として、明治の文豪達のエピソードを交えながら能囃子の魅力を伝える。
司会進行は僕。
只今猛勉強中。
くわしくは↓
http://www.noh-doumeikai.com/?page_id=33

いずれも是非見に来られたし!

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皮整理

皮整理三八鎖目

大鼓の皮は消耗品であると以前に書いた。

僕は毎年15組枚を購入している。

つまり毎年30枚の大鼓の皮が消耗されていくのだ。

これがどんどん部屋にたまっていく。

今年のお盆は、どこにも行かず家でゆっくりと時間が取れたので整理したら、

糸切れ、破れ、へたりなど、出てくる出てくる使えなくなった皮。

あまりにたくさんあったので少し途方に暮れた。

道具を廃棄物として扱うのは忍びないので、皆さんにプレゼントしたいと思う。

欲しいと思われたらぜひお申し込みを。

お申し込みはクリック↓

omousikomi

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三七鎖目

打音シリーズ第2弾である。

石井流の打ち方の一つに「ツ」という音がある。

当家につたわる手附には、

「鼓の皮より約五寸位の距離を取りて薬指(又は中指及薬指の二本にて)

十六輪の内側を単に皮に触るる程度にて響かぬ様軽く押さへる如くに打つなり

要するに間を取る事の一手段に過ぎざるなり」

とある。

聞かせる音ではないので、打つ動作が見えても見所には聞こえない。

打ちそこないに見えるかもしれないが、敢えてそういう打ち方をしているのだ。

ツの打ち方により次の間が大きく変わる。聞こえないが重要な音である。

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皮修理

皮修理三六鎖目

皮の修理作業を紹介しよう。

大鼓の皮はしばしば締めている最中や、演奏中に千綴、十六綴の糸が切れることがある。

皆様も舞台からパシっとかピキっと言う音を聴いたことがないだろうか。

あの音は大鼓の皮の縫い目が切れる音なのだ。

縫い目が切れると、皮が緩んでしまい良い音が出なくなるので、修理をしなければならない。

まず切れた糸を皮から取り除き、また新たな糸で縫い直す。

僕は、ロウ引きしたナイロン製の糸を4本束ねてヨリをかけたものを使っている。

糸が切れる原因は、皮の表面の穴と裏側の穴の位置が収縮を繰り返すことで段々ずれるためだ。

穴の位置がずれているので、糸を抜くのも、縫い直すのも骨が折れる。

寸暇を見つけては、内職をする。

大鼓方の仕事は多岐にわたる。