十八鎖目
久しぶりの投稿である。
なぜ久しぶりになったかと言うと、単純に多忙であったためだ。
どのように多忙であったというと、我々の世界でいう学校廻りで平日はすべて埋まり、土日は舞台と言う毎日であった。
この学校廻りとは、読んで字の如く、各学校を廻って、体育館で能楽鑑賞をしてもらうことだ。
体育館に本格的な能舞台を組んで上演することもあり、ただ緋毛氈を敷いて、能楽囃子をコンサート形式ですることもある。
中には、ただ鑑賞するだけではなく、楽器体験などをいれたワークショップ形式ですることもある。
子供たちの心をとらえるためには、高いテンションと、親しみやすい言葉遣いが必要だ。
これらを考えながらレクチャーするのはとても疲れるのだが、とてもやりがいを感じる。
なぜなら、子供たちは、一様に興味津々でじっと聞き入り、熱心に見入り、
楽器体験をすると、余分な力がなく、程よく脱力して良い音を出し、
すぐにノリよく八拍子の間を覚える。
能楽の面白さを肌で感じてくれる。
やはり、日本人のDNAには、能楽のノリや間・息がしみ込んでいるのだなと思う。
能楽愛好家の人口減少が危惧される昨今だが、要は多くの人に能楽の面白さを伝える場がないだけではないのか?
そういえば、どの学校にも吹奏楽部はあっても能楽部はない。
よく考えれば、どの学校にも欧米文化のクラブがあるが、我が国の文化のクラブがないのは、変なのかもしれない。
いつか、当たり前に学校に能楽部のほか、和文化のクラブができる時代が来てくれたらと願う。